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シリカ

合成シリカと表面積

一般に合成シリカの比表面積は、BET吸着法を用いて測定されます。 BET吸着法は比表面積のほか細孔容積、細孔径、細孔径分布を求めることができるため、比表面積とあわせて合成シリカの構造決定に不可欠な分析方法となります。 また、化学工業で使われる反応触媒、コピー機のトナー、電池、インクなどさまざまな化学製品にも用いられています。
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シリカと吸着

シリカは、表面や細孔を利用して物質を吸着します。この吸着機能を利用して水をはじめとして、有害ガスや重金属などの有害物を吸着、最近では二酸化炭素の吸着担体としても注目されています。 なかでもシリカゲルのような固体は、吸着等温線を用いることでその細孔構造などの物性情報を得ることができます。
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シリカと植物

植物とシリカは非常に密接な関係があり、トクサやイネなどは有ケイ酸植物といわれ内部にたくさんのシリカを持っています。トクサは、ケイ酸質(シリカ)を大量に含むことから古くから現代まで天然のやすりとして使用されています。また、イネは最も身近な有ケイ酸植物で、ケイ酸は(SiO2)イネの生育を良好にするためシリカゲルやシリカヒドロゲルがケイ酸質肥料として上市されています。更に、脱穀時に発生するもみ殻には、シリカが20%程度含まれていて、合成シリカを製造するための原料としてのリサイクルが進められています。なかでもEvonik社では、コジェネレーションシステムを用いたもみ殻からのケイ酸ソーダ製造システムを確立し、このケイ酸ソーダから製造した沈降性シリカが上市されていてCO2削減にも貢献しています。
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シラノール基

シラノール基は化学式ではSi-OHと表され、シリカを理解する上で非常に重要な結合になります。 更に、シリカやシロキサン結合と密接な関係があります。また、シラノール基は、シリカ単体の性質にとどまらず、材料全体の性能を作用する重要な因子でもあります。通常、シラノールは弱酸性ですが、水中で塩化マグネシウム等の2価の金属塩を添加することでプロトン(H+)を放出します。このようなプロトン放出を利用して筆者は宮崎大学との共同研究を経て、より安全性の高い湿度インジケーターの開発に成功して商品化に結び付けることができました。今後は、このの知見をプロトン輸送体に展開することで、プロトンポンプ機能を利用したATP合成や、燃料電池への利用ができるものと考えております。
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中空シリカ

中空シリカは昭和40年代後半には、発泡法を用いた大量生産技術が確立されていて、コンクリートや建材用途をはじめ、接着剤、塗料等のさまざまな用途に使用されてきました。その後、平成に入りLCDや半導体基板の台頭でより高純度化、微小化や粒度分布の制御に対応するため、テンプレート法が開発されました。さらに最近では、膜厚の調製により誘電率が調整できることから、次世代通信5Gには不可欠な材料となっています。このように中空シリカは、電子材料とともに発展をしてきたといっても過言ではありません。
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シラスとシリカ

シラスは、九州南部に分布する鉱物資源でみなさんも中学の地理でシラス台地として習ったことがあるかと思います。シラスは素材として、工業材料としての利用に分けられ、シラスコンクリ―トやタイル等の建設材料に、シラスマイクロバルーンやシラス多孔質ガラスは、ファインケミカルにとさまざまな分野で利用されています。更に、将来的には、省エネルギー電化製品や自動車への実装、環境保全型農業、環境汚染防止材料への利用が期待され、検討が進められています。
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シルセスキオキサン

シルセスキオキサンは、シリコーンのなかまでT単位の構造を有していて主鎖骨格がSi-O結合からなるシロキサン系の化合物で、[(RSiO1.5)n]の組成式で表されます。単位組成式中に1.5個(1.5 = sesqui)の酸素を有するシロキサンという意味で[Sil-sesqui-oxane]と称されます。 シリコーンと同じくシロキサンと有機基を持ち合わせているため、耐熱性や硬さなどの無機的な性質と柔軟性や可溶性などの有機的な性質を併せ持っています。
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多孔質ガラス

多孔質ガラスは1940年頃に米国の特殊ガラスメーカーであるコーニング社により開発され、多孔質ガラスを高温で処理し、無孔化したものは96%の高ケイ酸質で「バイコールガラス」の商標で知られています。当初、多孔質ガラスは「バイコールガラス」の中間製品でしたが、均一な径の貫通細孔を持ち、最大で数百m2/gの比表面積を持つことから、多孔体としての応用研究されるようになったのがはじまりとなります。
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シリコーン(Silicone)

シリコーンとは、ケイ素と酸素からなるシロキサン結合を主骨格とし、そのケイ素にメチル基などのアルキル基を主体とする有機基が結合したポリマーの総称で、無機質のシロキサン結合と有機基との結び付きにより、無機と有機の特性をあわせ持った高機能ポリマー化合物で、形状は、シリコーンの基本単位の組み合わせによるオイル、レジン、ゴムの他、エマルション、レジン(樹脂)と多様です。日本では、1953年に商業生産が始まり、電気、電子、自動車、建築、化学、化粧品、繊維、食品など様々な分野で多種多様なシリコーン製品が使用されています。シリコーンは、シリコーン本来がもっている特性と各形状で持つ特性を有しているため、さまざまな分野に使用されていてわれわれの生活には欠かす事ができない素材の一つです。
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メソポーラスシリカ

メソポーラスシリカとは、細孔径がメソ(2~50nm)の規則的細孔を有したシリカです。規則的細孔を有しているため、比表面積が大きく、低湿度領域での吸着も大きくなるとともに、ヒステリシスが殆んど無いのが大きな特徴です。メソポーラスシリカは、界面活性剤の鎖長と形成されるミセルの構造を制御することで様々な形状のものの合成が可能なため、廃水処理、屋内空気浄化、触媒、生体触媒(bio-catalyst)、薬物送達、二酸化炭素回収、生化学分析用試料の調製、パーベーパレーション(浸透気化)膜の改良などに用いられ、人工光合成の触媒担体等未来材料としても期待されています。
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