食品向けシリカに関する専門技術
シリカとお酒 ~ビールを中心に~
シリカとお酒は密接な関係があり、特にビールには欠かすことのできない素材です。ろ過工程に使用されていて、発酵を止めるために酵母を珪藻土に吸着させます。この方法は、ビールを加熱することなく発酵を止めることができるため生ビールの製造には不可欠です。また、シリカゲルは、ビールの泡蛋白は吸着せずに、冷却によりオリや濁りの原因となる寒冷混濁蛋白を選択的に除去することができ、比表面積や細孔容積、細孔直径、更には表面吸着水をコントロールすることにより、更なる蛋白吸着能力と選択制を向上させたシリカゲルも開発されています。
シリカと食品 ~微粒二酸化ケイ素を中心に~
食品添加物である微粒二酸化ケイ素は、確認試験、純度試験等の安全性については厳しい規定があり、かつ認可された工場でしか製造できません。しかし、基本物性については平均粒子径15μm以下という制限以外に比表面積、細孔容積等に制限がありません。このため、シリカゲルをはじめ、沈降性シリカ、フュームドシリカタイプのものが上市されていて、それぞれに特徴があります。
金属不純物の測定法その2 ~比色定量法を中心に~
合成シリカ中の金属不純物の測定法は、原子吸光光度法等の機器を用いた分析法、比色定量法に大別され、今回は比色定量法について解説をしていきます。金属不純物の測定は、これまでの個別分析からリスクアセスメントに基づいた分析法に変わりつつあり、そちらの動向についても解説します。
シリカ中の金属不純物の測定法その1 ~原子吸光光度法を中心に~
シリカの分析規格に定められている金属不純物の分析方法は、原子吸光光度法やICP発光分析などの励起スペクトルを用いた分析と比色定量によるものに大別されます。今回は、原子吸光光度法やICP発光分析とシリカに特有の分析の勘所につい解説します。更に、検量線法については、標準添加法、内部標準法についても詳しく解説をします。